2023年12月1日に発売されたアディダスの「Adizero TAKUMI SEN 10(タクミセン10)」を、10kmロードレースで試しました!
タクミセン10の靴底は、踵部33mm・前足部27mmの中厚底に分類され、厚底シューズとはひと味違う魅力があります。
薄底でも厚底でもないので、クッション性と地面の感触が両立されており、走る楽しさを存分に味わえるシューズです。
そんなタクミセン10の特徴や実際の使用感を、詳しくレビューしていきます。
タクミセン10の特徴

ADIZEROシリーズの一つ
タクミセン10はアディダスのADIZEROシリーズの一つです。
ADIZEROとは?
- 2005年に「1秒でも速いタイムを目指すランナー」のために誕生
- 開発にはシュー・クリエイターの大森敏明氏も携わる
- 「日本人ランナーを速くする」ことを目標にスタート
- 日本人に多い幅広・甲高の足型データを基に設計
- 0.01mm単位までこだわって作られている
- 「無駄ゼロ、ストレスゼロ、エネルギーロスゼロ」というコンセプトのもと、時代とともに進化
ADIZEROシリーズの中でもタクミセン10は5km〜ハーフマラソンの記録を追求するランナーに向けたシューズとして、特に高い評価を受けています。
タクミセン10スペック

簡単にスペックをまとめます。
タクミセン10のスペック
- 値段:22000円(税込み)
- 重量:200g(27.0cmの場合)
- ソールの厚み:踵部33mm、前足部27mm(厚底よりも薄い中厚底)
- 反発弾性素材「ライトストライクプロ」を全面に使用
- コンチネンタルラバーをアウトソールに配置(摩耗しやすい部分)
軽量化と反発性、耐久性向上を両立させているモデルとして登場しています。
アディダス公式から5km~ハーフマラソンに適しているとありますが、國學院大學の平林選手が2024年の大阪マラソン(フルマラソン)で優勝した時はこのシューズを履いました。
フルマラソンでの使用も可能ですが、フルマラソンで使用するならアディオスプロの使用が推奨されています。
タクミセン10を実際に履いて練習・レースレビュー

届いてすぐに履いた感想
届いてすぐに自宅で履いてみました。
最初に履いたときの印象は、横幅がやや狭いことから「少しきついかも」と感じました。
アッパー部分には伸縮性がなく、ヒモを結んでも足にしっくりくる感じがなく、足とシューズがなじむまで少し時間が必要でした。
履き心地を表現すると、良く言えば「履いている感覚が少ない」、悪く言えば「少し脱げそうな感じ」。
正直、「これは失敗だったかな」と思ったほどです。しかし、その印象は練習で走ってみると一変しました。
練習で走ってみて

陸上競技場で1km×5本のインターバルトレーニングで使用してみました。
実際に走ってみると、第一印象は「走っていて気持ちがいい!」というものでした。
このシューズはジョグなどの低速では反発を感じられず、その恩恵を活かしきれません。ここが厚底とは違う印象でした。
しかし、スピードを上げると一気に反発が引き出され、スパイクのような感覚で走ることができました。
軽さと反発性が存分に発揮され、足への疲労感も少なく済んだ印象です。
軽く走っている感覚なのに、自然とスピードが出るシューズだと感じました。
10kmのロードレース大会で使用
アディゼロタクミセン10を10kmのロードレースで使用したレビューをしていきます。ちなみに、このシューズは国際陸上連盟の規格により、公式トラック競技では使用できません。
久々の10kmレースでしたが、実は練習時間が取れず、不安のあるレースでした。しかし、その練習不足をタクミセン10が補ってくれました。以下、使用した感想です。
- 乳酸が溜まる感覚がなく、最後まで気持ちよく走ることができた
- 反発感と自力感のバランスが絶妙で、シューズの性能だけで進むような感覚はない
- 自分の力を活かしながらもシューズの反発性を感じられる
- 軽量化されており、ピッチも上げやすい

ペースが乱れてしまったのは練習不足と当日の強風の影響ですが(笑)、10kmのような短い距離ではタクミセン10の本領がしっかりと発揮されると感じました。
まとめ

今回、タクミセン10のレビューをお伝えしました。
タクミシリーズは薄底時代から愛用してきましたが、タクミセン10もその期待を裏切らない優れたシューズでした。
とはいえ、このシューズは万人向けというわけではありません。ジョギングを中心に楽しみたい方やてい厚底シューズのような低速でも反発を感じたい方には、別の選択肢を検討することをおすすめします。
一方で、スピード練習やトラックでの使用を重視する方、そして自力で走る感覚を楽しみたいランナーにとっては、ぜひ一度試してみる価値がある一足です。タクミセン10が、次の自己ベスト更新を後押ししてくれるかもしれません。