マラソン大会で「坂道」に苦しんだ経験はありませんか?坂道は、多くのランナーにとって肉体的にも精神的にも負担となります。
ペースを崩されたり、足にダメージを受けたり、坂があるだけで億劫な気持ちになることもありますよね。坂をうまく攻略できないと、目標タイムから遠ざかってしまいます。
坂道を攻略するには、坂道に特化した対策が必要です。この記事では、坂道に強くなるための対策を初心者にも分かりやすくお伝えします。
この記事を読めば坂道を克服し、マラソン大会当日に大きな成果を上げることができるでしょう!
マラソンに坂対策は必須

フルマラソンは42km走るだけでも大変ですが、さらに坂道があるなんてまるで地獄。その気持ちよくわかります。
しかし、実際のマラソン大会で「完全にフラットなコース」というものはほとんど存在しません。たとえば、私も出たことのある京都マラソンは坂が比較的多い大会であり、以下のような高低差があります。

また、坂がきついことを売りにしているマラソン大会もあり、そのような大会に出るなら坂対策は必須でしょう。
函館マラソンは「日本一過酷なファンラン」と銘打っており、高低差のあるコース設定が特徴です。

このようにマラソン大会に出る上で坂は避けては通れず、結果を出すためには坂の対策は必要と言えます。
坂道を走ることで身体に何が起きるのか

まずは、坂を走ることで起こる身体の変化について知っておきましょう。
上り坂と下り坂それぞれで、身体の使い方や筋肉などへの影響が異なるため、以下に詳しくまとめました。
上り坂を走るときの身体の変化
上り坂はフラットな道よりも筋肉や心肺機能への負荷が強くなります。上りが苦手なランナーの方が多いでしょう。
その理由としては、上り坂は身体を重力に逆らって移動させる必要があるため、よりエネルギーを必要とするからです。
具体的な影響は以下の通りです。
筋肉に負担がかかる

まずは筋肉への影響があります。
坂を走ることで、筋肉の中にあるグリコーゲンが使われ、筋肉自体にも負荷がかかります。
マラソンは長時間筋肉を動かし続けないといけないため、坂が多いと余分に筋肉が疲労してしまうのです。特に以下の筋肉へのダメージが大きくなります。
- 臀筋(お尻の筋肉)
股関節を後ろに動かす筋肉 - ふくらはぎ(腓腹筋)
足首で地面を蹴る筋肉
心肺機能に負担がかかる
上り坂では、酸素消費量の増加や心拍数増加、呼吸数増加などが見られます。
ただ、これらは一時的なことも多くフラットな道や下り坂などでペースを調整し、心肺機能を整えることが重要です。
特に心拍数はGPSウォッチで確認が出来るので、心拍数が落ち着くまではペースを無理に上げない工夫も必要です。
エネルギーの消耗
上り坂では、筋肉や心肺機能などをフル活用するため、エネルギー消費が増えます。
フルマラソンは2000から2500kcal必要と言われていますが、坂道が多いコースなどはさらに消費エネルギーは増えるでしょう。
フルマラソンでは、エネルギーが枯渇すると「ハンガーノック」と呼ばれる状態になり、パフォーマンス低下が起こります。そのため坂道は多いコースでは、エネルギーの枯渇に注意です。
下り坂を走るときの身体の変化
上りがあれば必ず下りがあります。上りほど苦手意識がない人も多いかもしれませんが、下り坂を走ることによる身体への影響を詳しく見ていきましょう。
関節への衝撃がかかる

下り坂では、重力によって体が前に進みやすくなるため、足を着地させる際に膝や足に大きな衝撃が加わります。
特に膝関節に強い負担がかかるため、長時間の下り坂を走ることは膝の痛みや疲労を引き起こしやすくなります。
筋肉に負担がかかる
下り坂では、膝を曲げて衝撃を吸収しようとするため、大腿四頭筋(太ももの前側)の負担が増えます。
この筋肉に負担をかけ過ぎると、後半のフラットな道で太ももが攣ったり、スピードにのれなかったりする場合があります。
坂道に対する練習

ここから坂道に必要な練習について解説します。
フォームの習得
ランニングフォームはすぐに修正できるものではありませんが、意識するべきポイントを把握することで少しづつフォームが最適化されます。
上りと下りでは意識すべき点が異なるため、分けてまとめます。
- 姿勢を前傾にする
- 目線は下ではなく前
- 腕振りをコンパクトにしてピッチは早く
- ふくらはぎではなく、臀筋で押す意識をもつ
上り坂はキツくなり、下を向きがちですがそれでは猫背になり呼吸がしにくくなってしまいます。前傾しつつも、目線は前を向きましょう。
また、大股ではなく小股で走った方が筋肉に対するダメージを減らせます。ピッチをあげて走りましょう。
- 膝を軽く曲げて衝撃を吸収させる
- ストライドを狭くする
- 踵接地ではブレーキがかかるため、足全体で接地
下り坂は、ブレーキをかけず足への負担も減らすのが鉄則です。
そのために、膝を曲げてストライドを狭くすることで、衝撃を減らしましょう。また、踵接地ではブレーキがかかるため、足全体で接地するイメージで下りましょう。
筋力トレーニング
フラットな道に比べて、坂道は足の筋力を必要とします。そのため、筋力不足だと坂への負担に耐えれず、坂が終わると急なペースダウンに陥ることもあります。
よって足の筋力トレーニングを行う必要があります。
臀筋を鍛えるにはスクワット、ふくらはぎにはカーフレイズなど行い、筋力強化を行います。
また、体幹の筋力も重要であり、腹筋や背筋を鍛えることで走りが安定します。
実際に坂道を走る練習を行う
坂道を実際に使った練習おおすすめです。
坂道に必要な機能を短時間で鍛えることができます。実践が一番の練習になります。
靴はクッション性のあるものを選び、足への負担を軽減させましょう。また、週一回から始めるなど、始めから頻度を上げ過ぎないことで怪我への予防に繋がります。
坂道を実際に走ることで慣れにつながり、精神的な余裕も生まれるため必ず取り入れましょう。
実際のレースで気をつけること

練習もしっかり積んできて、いよいよレース本番。今までの練習が水の泡にならないよう、レース直前やレース中に気をつけることをまとめます。
事前に坂の場所を確認
事前に高低図を確認して坂の位置を把握しておきます。坂の勾配や何キロ地点で坂道があるのかを知っておくと、レース中の気持ちの余裕が生まれます。
坂の位置を確認したら、レース配分やイメージトレーニングなど行いしっかりと備えましょう。
また、可能であれば事前にそのコースを試走しておくと安心です。
メンタルを整える
マラソン大会では、メンタルの状態がパフォーマンスに大きく影響します。特に坂道は体力だけでなく精神力も試される場面です。
事前に坂道に対してポジティブなイメージを持つことで、辛い場面でも前向きな気持ちを維持できます。
また、スタート前には深呼吸をして緊張をほぐし、リラックスした状態でレースに臨むことが大切です。
エネルギー補給
エネルギー補給はレース当日のパフォーマンスに大きく影響します。坂道に備えて、事前に適切なエネルギー源を摂取しておきましょう。
スタート前にはバナナやカステラなど消化の良い炭水化物を摂取し、体内のエネルギーを充電しておきます。
レース中は坂の手前でエネルギージェルを摂ると、上り坂でのパフォーマンス維持に役立ちます。
エネルギー補給のタイミングを事前に計画し、レース全体を通じて安定したエネルギー供給を心がけましょう。
まとめ

坂道に関して解説してきました。
私自身、毎日のジョグの後に坂道ダッシュを取り入れています。短時間で負荷をかけられるため、坂道対策として非常に有効です。また、心肺機能や脚力が向上するだけでなく、坂道を克服したという自信が得られることも大きな収穫です。
坂道練習を積むことで、心肺機能や筋力が向上し、平坦なコースでも効率的に走れるようになります。ぜひ、無理せず継続的に取り組んでみてください!
坂道を楽しむ気持ちで、挑戦していきましょう。