朝ラン・通勤ラン

朝ランだけでもフルマラソンのタイムが速くなる方法【朝しか時間がなくても大丈夫】

市民ランナーの方の中には仕事や家庭の都合で朝しか時間が取れず、朝ランをメインに練習している方も多いのではないでしょうか。

しかし朝ランのデメリットとして以下のことが挙げられます。

  • 時間が限られており練習量が足りない
  • 朝が体が動きにくく練習の効率やスピードが上がりにくい

私自身も10年以上朝ランを中心に行い、朝ランでは効率が上がらず、自己ベストが停滞していた時期もありました。

朝ランを継続していく中でデメリットもありますが、メリットがあることも気づきました。

この記事では朝ランを活用してタイムを短縮するための工夫や具体的な練習メニューを解説します。朝ランで成果を上げたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

朝ランだからこそ得られるメリット

朝ランでけでも十分に速くなる根拠として、朝ランだからこそ得られるメリットがあるからです。

朝ランをするならそのメリットをしっかりと狙って走りましょう。朝ランのメリットを以下に紹介します。

脂肪を使う能力を高められる

フルマラソンでは脂肪を効率よく使える身体を作ると、「30キロの壁」と呼ばれるエネルギー切れのタイミングを遅らせたり、終盤のペースダウンを防ぐ効果が期待できます。

基礎代謝が上がり、体重管理が行いやすい

朝は運動によっての脂肪燃焼効果が高く、さらに朝ラン後は数時間にわたって基礎代謝が高まるため、日中のエネルギー消費も増加します。この現象は「アフターバーン効果(EPOC: 運動後過剰酸素消費)」と呼ばれ、持久的な運動ほどその効果が持続しやすいとされています。

そのため夜間に走る場合と比較して、朝は体重減少しやすい時間帯となります。

マラソンでは「体重1kg減るとタイムが約3分速くなる」と言われているため、体重管理をしっかりと行いましょう。

大会は朝にあることが多い

マラソン大会は朝に開催されることがほとんどです。そのため、普段から朝ランを習慣化しておけば、パフォーマンスを発揮しやすくなります。

夜ランを中心にしている方は朝に走る感覚に慣れていないため、スタート直後に体が思うように動かなかい場合もあるかもしれません。

朝ランを行う際は本番さながらに起床時間や食事なども試すことが出来るため、予行演習として最適でしょう。

朝ランでも速くなる工夫

ではここから、朝ランでも速くなる工夫をお伝えします。

毎日走る

夜は仕事が終わる時間などは分からず、走るつもりが走れなかったということがあります。

一方で朝ランは習慣化しやすく、忙しい人でもトレーニング時間を確保しやすいのが大きなメリットです。

1日たった10分や1~2kmでも構いません。重要なのは「毎日走る習慣」を作ることです。

ジョグを中心に行う

朝の練習はジョグを中心に行いましょう。

起床直後は筋肉や関節が硬直しケガのリスクが高いため、ウォーミングアップはしっかりと行い、オーバーペースにならにように気持ちよく走りましょう。

前述した通り朝はエネルギーが枯渇状態なので、ジョグでも十分な効果があります。

ポイント練習を週1回は行う

ジョグはものすごく大切ですが、タイムを向上させるためにはポイント練習を取り入れることが必須です。

基本的には日中や夕方に行うのをオススメしますが、どうしても朝しか時間が取れなければ朝にポイント練習を行いましょう。

その際にはウォーミングアップをしっかりと行いましょう。

朝ランのおすすめの練習メニュー

では具体的な朝ランのおすすめのメニューについて紹介します。

ウイングスプリント

ウイングスプリントは、8割程度の力でフォームを意識しながら約200mを走る練習です。

短時間で行えるので時間のない朝でも取り入れやすい練習です。

  • フォームを意識する: 大きく動きことを意識する。
  • リラックスして走る: 無理に力を入れず、軽やかな感覚で。
  • 適切な間隔を空ける: 1本走ったら休憩し、息を整えてから走る。

ジョグの後に毎日入れるのがおすすめです。

ロング走

ロング走は20~30kmの距離をフルマラソン本番より30秒~1分くらい遅いペースで走ります。初心者はまず20km前後からスタートし、慣れてきたら少しずつ距離を伸ばしましょう。

ロング走の最大の目的は「長く走り切ること」なので、ペースを上げすぎないように注意しましょう。途中でバテてしまうペースでは逆効果です。

長時間走るとフォームが崩れてしまう場合もありますが、崩れないようにしましょう。

ロング走はケガのリスクは少ないため朝に行ってもいいでしょう。

テンポ走

テンポ走(閾値走、ペース走)はレースペースより10秒程度速いペースで5〜15km程度走る練習です。ロング走とよく似ていますが、以下に違いをまとめます。

項目テンポ走ロング走
目的乳酸処理能力向上筋持久力養成
ペースレースペースより10秒程度速いレースペースより30秒~1分程度遅い
距離5~15km20~35km

テンポ走はマラソン後半の失速を防ぎ、乳酸処理能力を向上させる重要なトレーニングです。

初級者の方は5~8kmから始めて、徐々に距離を伸ばしましょう。始めはきついので、分割法(例:10km走るのなら5km走って少し休憩してからまた5km走る)なども使ってもいいでしょう。

また、テンポ走は継続が大切なので週に1回程度は入れるようにして、徐々に負荷を上げていきましょう。

インターバル走

インターバル走は疾走区間と休息区間を繰り返し、疾走区間では普段より速いスピードで走り切る練習です。

「最大心拍数の80-90%」を目安に強度調整を行い、慣れないうちは短い距離・少ない本数から始め徐々に負荷を上げます。

けがのリスクが高い練習なので、ウォーミングアップとしてジョグや流しで体を温めてから行いましょう。

特に朝は体が冷えているので、可能なら日中や夕方に行いましょう。

どうしても朝に行う場合は血圧変動・低血糖状態になりやすく、心臓への負担が増大するため、「ショートインターバルにする(200m程度)」「最大心拍数の85%以下」などの工夫を行いましょう。

まとめ

朝ランは、時間が限られていたり体が動きにくいなどのデメリットがある一方で、脂肪燃焼効果や、大会に向けた予行演習ができるといった大きなメリットもあります。そして、そのメリットを最大限活かすことで、朝ラン中心の練習でも十分にタイムを縮めることが可能です。

重要なのは日々の練習を計画的に積み重ねることです。

短時間でも毎日走る習慣を作り、ポイント練習を取り入れることで効率的に走力を高められます。

今回の記事を参考に、朝ランの効果を最大限に活かし、自己ベスト更新を目指していきましょう!