ランニング全般

冬のランニングは意外に危険?注意点と対策を解説

マラソンや駅伝シーズンである冬。ランニングを趣味としている人は、冬が好きな人は多いでしょう。

走りやすい季節ではありますが、一方で冬だからこそ注意すべき点があることはご存知でしょうか。

「寒いから、水分補給は少なくていいの?」
「冬は怪我しやすいって聞くけど、どうしたらいいの?」

この記事では、このような疑問を解決していきます。

この記事では冬にランニングをする際の注意点・対策について紹介していきます。

この記事でわかること
  1. 冬にランニングをするメリット
  2. 冬のランニングの注意点と対策

冬にランニングをするメリット

注意点もありますが、冬のランニングにはメリットもたくさんあります。

まずは、メリットを解説します。

走るのに適した気温

冬の気温は、人間が走るのに適した気温とされています。

2012年に発表された論文「フルマラソンの記録に影響する環境要因」によると、フルマラソンの記録が3時間30分の男性では「6.02℃」が最適な気温だったようです。

一般にも6~10℃がランニングに適した気温と言われており、まさに冬の気温はランニングにピッタリです。

オリンピックや世界陸上は夏に開催され、気温が高くフルマラソンでは良いタイムが出ません。*世界記録2:00:35(ゲルヴィン・キプタム)

  • 2008年(北京)サムエル・ワンジル 2:06:32
  • 2012年(ロンドン)スティーブン・キプロティチ 2:08:01
  • 2016年(リオデジャネイロ)エリウド・キプチョゲ 2:08:44
  • 2021年(東京)エリウド・キプチョゲ 2:08:38

気温が高いと発汗量が多くなり、ランニングパフォーマンスが低下してしまいます。日本でも駅伝やマラソンは冬に開催されていますよね。

また、私たちが実際にランニングを楽しむ場合は、時間ごとの気温を意識しましょう。

「Yahoo!天気」のアプリを使えば、何時に気温がどうなるかの予報を見ることが出来て、走る時間の参考になります。

ダイエット効果が高い

冬のランニングはダイエット効果が高いと言われています。その理由としては以下が挙げられます。

冬のランニングがダイエット効果が高い理由
  • 寒いので基礎代謝が上がる
  • 気温が低く長い距離を走れるため、運動時間を増やしやすい

基礎代謝は何もしないで体温を一定に保つために必要なエネルギーのこと。気温が低いと、体温との差が大きくなるので、基礎代謝も上がりやすいです。

また、運動による消費カロリーは「運動強度×運動時間」によって計算されますが、運動時間を伸ばしやすい冬のランニングは消費カロリーを稼ぐチャンス。

夏は暑くて走れない距離でも、冬であれば難なく走れてしまいます。走る時間を増やせば、その分消費カロリーが増え、脂肪が燃焼します。

冬のランニングの注意点と対策

ではここから冬のランニングにおける注意点を解説します。

しっかりと対策をして、冬のランニングを楽しみましょう。

脱水の危険性

冬は寒くてトイレが近くなるから、水分を控えている人はいませんか?

冬のランニングは、涼しくても汗をしっかりかいています。そのため、気付かないうちに脱水になってしまう危険性があるのです。空気が乾燥しており、皮膚や呼気からも水分が抜けやすい状態です。

人間は約6割が水分であり、3%の水分を失うと脱水状態になってしまいます。

水分不足になると、血行も悪くなり末端は冷えやすく、走るのに必要な酸素や栄養も筋肉に行き届かなくなります。ランニングパフォーマンスの低下に繋がります。

最悪の場合は、めまい頭痛や吐き気など様々な症状が出てきてしまいます。

夏と同様に、水分補給はしっかりと行いランニングを楽しみましょう。

脱水への対策
  • 一気に飲んでも吸収出来ないため、こまめに水分補給
  • 水分だけでなく、糖とナトリウムも一緒に摂取

汗冷えしてしまう

冬は外が寒いので、厚着をしてランニングをする人もいるでしょう。

防寒対策は大切なのですが、厚着をし過ぎると汗をかき、休憩時間などに汗冷えしてしまうことがあります。

汗は熱伝導率が高く、蒸発するときに体温を奪います。また、汗をかいたウェアに風が当たることでも、体温を奪う原因になります。

これらのことにより、冬のランニングは「暖かくするけど、汗はあまりかかないようにする」ことが重要です。

汗冷えへの対策
  • 手袋や耳当てなど末端を冷やさないようにする
  • 速乾性の高いインナーを着用する
  • 走っている途中で暑くなったら、上着を脱いで調整する

血圧の上昇

冬は血圧が高くなります。

その理由は、冬は体温を保つために血管が収縮し、心臓はより高い圧で血液を全身に送り出さないといけないためです。また、運動によって血圧がさらに上昇するため、心臓への負担も大きくなります。

実際、マラソン大会などでも心臓のトラブルでAEDを使用したニュースを見たことがある人もいるでしょう。

心臓への負担を軽減するためには、ランニング前に十分な準備が必要です。

血圧上昇への対策
  • 起床直後のランニングを避ける
  • 入念に準備体操やウォーミングアップを行う
  • ウォーキングなどからスタートさせ、徐々に負荷を上げる

怪我のリスクが高い

冬は気温が低く、筋肉の柔軟性が低下しています。その状態でランニングを行うと、筋肉への負荷が強くなります。また、関節の可動域制限や、過剰な力みによりランニングフォームの崩れに繋がり、普段とは違う部分に負荷がかかる場合もあります。

その結果、怪我に繋がる危険性が上がってしまいます。

また、冬は日が短く、足元が見えにくい状態で走ることも増えるかと思います。転倒や捻挫にも注意して走りましょう。

怪我に対しての対策
  • 全身のウォーミングアップを行い体を温める
  • ランニングフォームが崩れていないかチェックする
  • ライトを使用し、足元を照らしながら走る

寒さによって継続出来ない

走り出してしまえば快適に走ることが出来る冬ですが、走り始めるまでが辛い。「寒いから家でゆっくりしておきたい」と誰もが思うもの。そんな誘惑に負けてしまうと、ランニングを継続出来なくなってしまいます。

夏の間は走れていたのに、冬は寒くてランニング継続出来ないのはもったいないです。

寒さによって継続出来ないことへの対策
  • 短い距離でも続ける
  • 走る時間や場所を変えて、気分転換をする
  • 新しい靴やウェアを買い、テンションを上げる

習慣化については以下の記事も参考にしてください。

ランニングが続かない人必見!ランニングを習慣化する方法を解説ランニングが続かない人に向けて、ランニングを習慣化する方法を解説...

まとめ

冬はランニングに適した季節でメリットもありますが、注意点も意外にあります。

でもしっかりと対策をしていれば、リスクを減らすことが出来ます。

具体的な対策としては水分補給する、ウォーミングアップを欠かさない、厚着し過ぎないなど解説しました。

十分に対策を行い、安全・快適にランニングを楽しみましょう。