市民ランナーは日中仕事のため、ランニングする時間帯は朝か夜かになるでしょう。それぞれ朝ラン・夜ランと呼ばれますが、どちらがいいか悩む人もいるではないでしょうか。
朝ラン・夜ランのどちらもおこなってきた筆者が、朝ラン・夜ランのそれぞれの特徴と、どちらがおすすめか解説したいと思います。
この記事を読めば朝ランか夜ランどちらを選べばいいかの判断材料が分かると思います。
- 気候の1日の変化
- 朝ランの特徴
- 夜ランの特徴
気候の1日の変化
朝ランはAM5~7時くらい、夜ランは7~9時くらいに行う人が多いでしょう。まず、時間帯による気候の変化について解説します。
ランニングは屋外で行う活動なので気候の影響を受け、一番大きな影響を受けるのは気温です。暑すぎても寒すぎても、快適に走ることが出来ません。
また明るさによって、足元が見えるかどうか変わってきますので、暗いと転倒などの危険性が高まります。気候の変化の特徴を以下にまとめます。
- 気温:朝の方が低く、夜の方が高い
- 湿度:朝の方が高い(夜間に冷却された空気が水蒸気となるため)
- 風:朝は穏やかなことが多い
- 明るさ:朝は日の出以降は明るい、夜は日の入り以降暗い
上のグラフは冬のある日の気温の変化を表したものです。早朝が一番低く、日の出と共に上昇、13時をピークにその後だんだんと下がっていっているのがわかります。
ランニングにとって最適な気温は6~10℃とされています。これは、文献によって若干のデータのばらつきもあり、個人でも感じ方は違うでしょう。
「Yahoo!天気」のアプリを使えば、自分がいつ地点の時間帯ごとの予想気温がわかるので、狙った気温に走ることが出来ますよ。
朝ランの特徴
続いて、朝ランの特徴について解説していきます。
①習慣化しやすい
習慣化とは「意識せずにその行動を取っている」「面倒に感じない」こととであり、習慣化してしまえば苦痛はほとんど無くなります。しかし習慣化するまでが大変で、一般には2-3カ月かかると言われています。
夜ランに比べ朝ランは比較的習慣化しやすいです。理由としては
- きまった時間に起きて、決まったルーティンを遂行しやすい(内的要因)
- 友人からの誘いや仕事での残業など予定が入りにくい(外的要因)
などが上げられます。走ることを習慣化するには朝が断然おすすめです。
習慣化については以下の記事も参考にしてください。
②心身ともに疲れていない
朝は心身ともに疲れていないのもメリットです。
日中に仕事や家事などを行うので、夜走る場合は疲れた状態で走らなければなりません。「疲れたし走りたくないな…」と思ってしまうこともあるでしょう。
一方、朝は睡眠により心身がリセットされて、元気な状態で走ることが出来ます。布団から出るのは辛いかもしれませんが、出てしまえば気持ちのいい状態でランニングを行うことが出来ますよ。
③交通量や人が少ない
早朝は車も少なく、すれ違うのはウォーキングやランニングをしている人くらいです。
視界が開けた道を走るは気持ちがいいですよ。また、車を避けて走る必要がないため、走りの集中できるのもメリットです。
また「知り合いに見つかりたくない!」と考えている人は、朝が断然おすすめです。ほとんどの人が寝ていますので、見つかることはほぼありません。
④ダイエット効果が高い
朝は空腹状態でのランニングになるので、糖質より脂質をメインに消費します。朝は体内のグリコーゲンが減っているので、脂肪を分解してエネルギーに変えようとするのです。
ダイエット目的の人は朝がオススメです。
空腹時や運動時など、エネルギーが不足した際には、脂肪細胞に蓄えられた脂肪は加水分解され、脂肪酸とグリセロールとなって血中に放出される。この現象を「脂肪動員」という。
引用:脂肪の代謝とその調節
同じ距離、同じ時間走るなら、朝走った方が脂肪燃焼効果が高くなります。
⑤1日が気持ちよくスタートできる
朝はギリギリまで寝ていて、寝ぼけながら準備して出勤…。そんな朝のスタート切っている人は多いのではないでしょうか。
- 朝日と共に目覚め、朝ランをスタート
- 清々しい気持ちで走り終える
- シャワーを浴びてスッキリ
- 運動後なので朝ごはんもたくさん食べられる
- 代謝も上がっているので日中も活動的に
このような好循環をもたらす効果が朝ランにはあります。朝ランニングをすることで、良いスタートが切れて、その日の生産性も上がりますよ!
⑥冬は起きるのが辛い
朝ランの最大のデメリットがこれ。「冬は起きるのが辛い」。
目覚ましは鳴ったけど、寒いし起きたくない。結局二度寝してしまって、朝ランが出来なかった…。このような経験を私も何度もしています。
でも、早起きさえできれば、朝ランのデメリットは無いも同然です。早起きについては以下の記事も参考にしてください。
⑦怪我のリスクが高い
起きてすぐは筋肉や関節が固まってしまっているので、朝ランは夜に比べて怪我のリスクが上がります。怪我の予防には、ストレッチなどのウォーミングアップが重要です。
体が硬いまま走ると、フォームが崩れ筋肉や関節などにかかる負荷が強くなてしまします。特に冬は怪我をしやすいので、注意です。
アキレス腱炎、足底筋膜炎、腸脛靭帯炎、半月板損傷など
ランニング障害は体に負荷が積み重ねられることで起こるので、毎日しっかりとケアをしましょう。また、古くなったシューズは変える、走る距離を徐々に上げるなどの対策も有効です。
⑧体の水分が枯渇している
起床してすぐは、水分不足となっているので必ず走る前に水分補給を行ってから走るようにしましょう。血液もドロドロになっており、水分補給をしないと危険です。
睡眠1時間あたり1.5ml/kgの水分が体から抜けています。これは体重60kgの人が6時間寝た場合520mlもの水分が抜けることになります。(汗や呼気180ml、尿360ml)
(参考:厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」)
- うがいをする(口腔内の細菌を吐き出す)
- 200~250mlの水分を補給
一度に補給する水分は200~250mlがおすすめです。人が一回で吸収できる水分量に限界があるため、これ以上水分を取っても吸収出来ません。
⑨時間の制約がある
朝は時間との勝負。
通勤時間などの影響で、〇時〇分までには走り終えないといけないという制約があります。少し寝坊してしまうと、予定した距離を走ることが出来ません。
また、時間がかかってしまうロング走やポイント練習は、朝の限られた時間で行うのは無理があります。
私自身も、仕事の日の朝はジョグ、夜か休みの日にポイント練習を入れています。
夜ランの特徴
続いて夜ランの特徴を上げていきます。
①朝早起きしなくてもいい
「ランニングを習慣にしたいけど、朝起きるのが辛い」と思う人もいるでしょう。そんな人は、夜ランがおすすめです。
残業が出たり、プライベートの予定が入ると走ることが出来ないのが難点ですが、早起きしなくていいのはメリットでしょう。
特に冬は、朝ランをやめて夜ランに切り替えれば、寒い朝に起きなくても済みます。
②ポイント練習には最適
夜は日中活動した後なので、体がほぐれておりランニングパフォーマンスは上がりやすいです。そのため、ポイント練習は夜に行うのがおすすめです。
強度が高い練習の総称で、インターバルトレーニングやペース走などが含まれます。週に2回程度、自分を追い込み走力を上げるために行う。
夜にポイント練習をすることで、質の高いトレーニングが行え、怪我のリスクも低く抑えることが出来ます。
③日焼けしない
朝ランは朝日を浴びれるのがメリットではありますが、逆に日焼けをするのでデメリットと感じる人もいるかもしれません。
絶対肌を焼きたくない人は夜ランがおすすめです。
日没後に走れば肌が焼ける心配はありません。
④晩御飯を美味しく食べられる
ランニング後に食べる晩御飯はとても美味しい。普段何気なく食べているものでも、味が変わったように美味しく食べることが出来ます。
その理由はお腹が空いているからです。ランニングをすると、カロリー消費します。体重60㎏の人が軽いランニングを30分行うと、約250kcal消費です。
一方で、空腹状態で晩御飯を食べてしまうと、思った以上に食べ過ぎてしまので注意です。ダイエットのために走っているのに、食欲が増えすぎたという話もよく聞きます。ダイエットしている人はカロリー計算をしっかりと行いましょう。
まとめ
これまで朝ラン・夜ランの特徴をまとめてきました。
結局どっちがおすすめと言われたら「朝起きられるのなら朝ランがおすすめ」ということになります。理由は朝ランにはメリットが多いからです。
- 習慣化しやすい
- 心身ともに疲れていない
- 交通量や人が少ない
- ダイエット効果が高い
- 気持ちよく1日をスタートできる
ただ、走る目的によっても変わってきます。タイムを縮めたい人は夜にポイント練習をする必要がありますし、ダイエットだけなら朝毎日走るのがおすすめです。冬は朝ランはやめて、気候のいいときだけ朝走るのもいいでしょう。
気候に合わせて、楽しくランニングを楽しみましょう。